東日本大震災が発生して2 年になり沿岸部等甚大な被害を受けた地域を除き
少しずつ落ち着きを取り戻し始め、税務行政も動き始めております。
東日本大震災によって個人が資産に被害を受けた場合の
税制上の措置(東日本大震災に係る税制上の特例措置
(震災特例法(以下同法という)について振り返ってみました。
(1) 雑損控除の特例(同法4 条)
東日本大震災による損失金額(保険金等控除後)、特例損失金額は
選択により平成22 年度分の確定申告等から適用されました。
(2) 雑損失の繰越控除の特例(同法5 条)
平成22 年分から適用を受けた場合の特定雑損失金額は、
平成23 年から5 年間の繰越が認められています。
平成23 年分で雑損控除の適用を受けた場合は、
平成24 年から5 年間繰越が認められました。
(3) 災害被災者に対する所得税の減免の特例(同法53 条)
(4) 被災事業用資産の損失の必要経費算入に関する特例等(同法6 条)
平成22 年分の確定申告等から適用されました。
(5) 純損失の繰越控除の特例(同法7 条)
(2)と同様5 年間の繰越が認められます。
青色申告者は(4)の特例を適用して、平成21 年度所得税から
還付を受けることが出来ます。
(6) 納税の猶予、申告、納付等の期限の延長が指定された地域ごとに
延長期日が決められました(石巻市は平成24 年4 月2 日になりました)。
福島の原発等による避難地域はいまだに申告・納付等が延長されています。
延長期限の期日指定された地域においてその期日までに申告・納付等を
しなければならなくなりました。
後は、個別に税務署長に申請して期限延長措置を受けることになります。
平成22 年分の確定申告書を震災特例法施行日前に提出した場合の
雑損控除を受けるための更正の請求は
平成24 年4 月27 日以降出来ないことになり(同法附則第2 条)、
それによる納税者にとっての運不運が生じたものと思います。