皆さん、組織作りに苦労していませんか。なぜ、思ったように機能しないのか、悩んでいませんか。ケースによっては、解決の糸口になるお話をしましょう。それはピーターの法則と呼ばれているものです。
ピーターの法則はアメリカの教育学者が提唱したもので、仕事と昇進の関係に関する分析を社会学の法則としてまとめたものです。
・ピーターの法則
『階層社会では、すべての人は昇進を重ね、おのおのの無能レベルに到達する。』
・ピーターの必然
『やがて、あらゆるポストは、職責を果たせない無能な人間によって占められる。』
『仕事は、まだ無能レベルに達していない者によって行われている。』
モチベーションを与えるため、昇進をさせていると意外と期待した働きができないケースに出会うことがあると思います。責任に対する重圧と自分が持っている能力の限界が、本人に適切な判断をできなくさせているのです。その結果、まだ十分に昇進していない者(つまり判断能力の限界に来ていない者)が実質的に仕事を行っているケースが多いというものです。
仕事の成果で昇進を決めているケースは要注意です。近い将来、上記のような状況になるかもしれません。
話は逸れますが、イギリスの人類学者、進化生物学者が唱えた150人というダンバー数というものがあります。これは、人間にとって、「それぞれと安定した関係を維持できる個体数の認知的上限」は150人であると示しているものです。
実際の感覚として、具体的にイメージできる人間関係はこれ位ではないでしょうか。組織の規模を考える場合、一つの目安になると思います。会社、部門が大所帯になってきたら、分割することも考える必要が出てきます。
これらは科学者の目から見た人間洞察です。日頃経営の現場で感じていることが、客観的にうまくまとめられています。これらの法則の意味するところを味わい、活力のある組織運営をしていきましょう。