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企業が居心地の良い国は、家計にも居心地が良いはずだ
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 2010年度の年次経済財政報告(経済財政白書)は、日本経済がデフレを克服し、力強い成長を実現するために、法人税の実効税率を引き下げ、企業の収益力強化を図ることで、家計の所得を増やすべきと提言した。

 日本の法人税の実効税率は約40%で、主要先進国の中で最も高い。日本も1990年代後半の税制改革で税率を引き下げているが、英国や米国の方が引き下げで先行しており、シンガポールなどのアジア諸国も企業誘致や経済活性化を目指し、法人税率を引き下げている。

 法人実効税率と法人税収の国内総生産(GDP)比率の関係をみると、税率引き下げが必ずしも税収減につながらないという「法人税パラドックス」の関係がある。税率が20%未満だと税収のGDP比率が最も小さくなるが、20%以上30%未満では比率が大きくなる。30%を超えると比率が低下し、40%以上では、20%未満の税率と変わらない。

ただ法人税率の引き下げによる国際競争力の向上は、企業優遇策として批判されやすい。これに対して、白書はビジネスを遂行しやすい国は、一般にはむしろ生活の満足度やその質も高くなる傾向があるとの調査結果を示し、北欧諸国やスイス、アメリカ等の国はビジネスの効率性が高く、生活に満足しているとの回答も多いとしている。