平成22年の税制改正において100%グループ内の内国法人の株式等(完全子法人株式等)に係る配当等については、負債利子を控除せず、全額が親会社において益金不算入となります。
これは、グループ内の資金調達に対する中立性を確保する観点や、完全支配関係にある法人からの配当は間接的に行われる事業からの資金移転と考えられることから、グループ子法人からの受取配当等に係る負債利子控除が廃止されたものです。
1.改正の内容
『改正前』
〈株式等の区分〉 〈益金不算入額〉
連結法人株式等・・・・・配当等の額
関係法人株式等・・・・・配当等の額-負債利子
上記以外の株式等・・・・(配当等の額-負債利子)×50%
『改正後』
〈株式等の区分〉 〈益金不算入額〉
完全子法人株式等・・・・配当等の額
関係法人株式等・・・・・配当等の額-負債利子
上記以外の株式等・・・・(配当等の額-負債利子)×50%
※完全子法人株式等とは、配当等の額の計算期間の開始の日から計算期間の末日まで継続して法人とその支払いを受ける配当等の額を支払う他の内国法人との間に完全支配関係があった場合の当該他の内国法人の株式又は出資をいいます。
2.適用時期
平成22年4月1日以後に開始する事業年度の所得に対する法人税について適用し、法人の同日前に開始した事業年度の所得に対する法人税については改正前の取扱いとなります。なお、平成22年4月1日以後に開始する事業年度において支払いを受けた配当等の額について、その計算期間が同日前に開始していた場合にも、計算期間を通じてその配当等の額を支払う他の内国法人との間に完全支配関係があれば、完全子法人株式等に係る配当等の額として、新制度が適用されます。
3.その他
負債利子控除制度における簡便計算の基準年度が平成22年4月1日から平成24年3月31日までの間に開始した事業年度に改められております。