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グローバル化あれこれ
日本は、まだまだ大きな消費市場といってよいが、伸び行く市場をもとめて、海外展開を進める会社が多い。

平成22 年12 月31 日の日本経済新聞の朝刊において、「世界戦略、そこが知りたい」の連載でコマツの野路國夫社長の「国内雇用を守る」という表題のインタビューの中で、「世界市場はローカルの和であってグローバルスタンダードはない」という言葉が印象的であった。

今年に入り日本経済新聞1 月9 日の朝刊の「世界を語る」で、「ボトム・オブ・ピラミッド(BOP)」ビジネスを手がけるインド・ゴドレジグループ(主要7社の2010 年3 月期の売上高は合計で26 億ドル)のアディ・ゴドレジ会長の言葉も印象的である。

BOP ビジネスでは、ポケットにいくらのお金が入っているかを知ることが原点で、インドの農村ではポケットのお金を考えて、彼らが払える金額として小さいが1 個5 ルピーの石けんを売る。

また、髪染めでは仏ロレアルがインドで売る最も安い商品は130 ルピーだが、これはクリーム状なので、利用者が水と混ぜる手間がかかるが、同社は、製品の構造を変え、粉末状として11 ルピーで売る。

さらに、インドの農村で消費者が冷蔵庫に期待するのは野菜などの保存であり、大型は要しないのでコストがかかるコンプレッサーは使わず、摂氏5 度程度に保てるペルチェ効果型の構造として1 台3,490 ルピーの冷蔵庫「チョット(ヒンディー語で少しという意味)クール」を開発した。

市場によって、もとめられるものは様々に異なるものである。また、昨年12 月に再放送されたNHK スペシャル「天空の‐本道‐秘境・チベット開山大運搬」で雪のない8 月に米、塩、医薬品等の生活必需品を何日もかけて4,000mを超える峠を越えて、物資の集まる町へ買い出しに来るのであるが、何よりも吃驚したのは、洗濯機を買うときに製品の重さを確かめるような様子と「保証はいらないよ」という映像の後、その洗濯機を背中にひもで背負って、高地の自分の集落へと運んでいく。

まずは丈夫で重くないということもポイントである。このようなことを話していると、それはグレードダウンですかと問われた。自社の強みは、先端的分野の技術開発力であると考える会社は、高機能、付加価値の高い製品の消費市場として、いまだ欧米を重視しているようである。また日本の消費者は要求水準が高く、先端的製品、高機能品でないと満足しないといわれているが、果してそうであろうか。

高機能の高級品に関心を示す購買層は、これからは新興国の富裕層ではないか、そして富裕層が厚みを増していく新興国が魅力的な市場であろう。

日本の国を、市場としての日本を、そして世界戦略としての市場をどうみるか、分岐点にあるのかも知れないと語り合った。